納品書の書き方ガイド
検収との違い・記載項目・発行タイミング
この記事の要点
- 納品書の発行に法的義務はないが、検収の起点になるため実務では欠かせない
- 納品書は納品する側、検収書は受け取る側が発行する。発行者が逆になる
- 電子で受け取った納品書は電子データのまま保存する。印刷保存は認められない
1. 納品書の役割と発行義務
納品書は、売り手が買い手へ「何を、いくつ納品したか」を伝える書類です。英語では Delivery Note、Packing Slip と呼ばれ、納品物と一緒に渡すのが一般的です。
目的は3つです。発注どおりの品目・数量・仕様で届いたかを確認する手段、取引の記録、そして検収と請求へ進むための基礎資料。
法律上の発行義務はありません。民法は目的物の引渡し義務を定めますが、納品書の交付までは求めていません。それでも実務では発行が前提になります。
理由は、発注内容との一致を確認する手段が他にないこと、検収手続きの起点になること、税務上は取引実態の補助的な証拠になることです。
2. どこに何を書くか
法定の様式はありません。記載漏れは検収の遅延や請求トラブルにつながります。実際の出力例で位置ごとに確認します。
- 1
書類名
「納品書」と明記します。英文併記は「Delivery Note」。
- 2
納品書番号
発注書番号と対応づけて採番すると(PO-2026-001 に対し DN-2026-001)照合が容易です。
- 3
納品場所
納品先が発注者の所在地と違う場合は必須。工場や倉庫への直送で効きます。
- 4
納品日・検収期限
実際に納品した日を書きます。検収期限の起算日になることが多い項目です。
- 5
宛先
納品先の会社名・担当者名。分割納品なら「全3回中 第1回」と進捗も添えます。
- 6
発行元と登録番号
納品者の名称・住所・連絡先。問い合わせ先として機能させます。
- 7
明細
品名・数量・単位・単価・金額。発注書の記載と一致していることが重要です。
- 8
合計(税込)
金額の記載は必須ではありませんが、検収と照合のためには書くのが実務的です。
3. 検収書との違い
| 項目 | 納品書 | 検収書 |
|---|---|---|
| 発行者 | 納品する側(受注者・売り手) | 受け取る側(発注者・買い手) |
| 伝える内容 | この内容で納品しました | 確認しました(または不備がありました) |
| 位置づけ | 送り手の記録 | 受け手の記録 |
| 次の工程 | 相手の検収へ進む | 請求書の発行を認めるゴーサイン |
発注書
発注者が注文
納品書
受注者が納品物と交付
検収書
発注者が検査結果を通知
請求書
検収完了後に代金請求
検収が終わっていない段階で請求書を出すと、支払いを保留されることがあります。この順序は支払サイトの起算にも関わります。
検収書の書き方は検収書のガイドにまとめています。納品書から検収書への変換にも対応しています。
4. 発行タイミングと送付方法
| タイミング | 向いている場面 | 留意点 |
|---|---|---|
| 納品と同時 | 最も一般的。物品なら同梱、サービスなら成果物と同時にメール | 配送業者の送り状と品名・数量が一致しているか確認する |
| 納品後(事後送付) | 急ぎの納品や、月末にまとめて発行する運用 | 発行日と実際の納品日がずれるため、納品日を別途明記する |
事後送付は検収や支払いのスケジュールに影響します。「納品書の受領をもって検収期限が起算される」ルールの取引先には、特に早めに送ります。
PDFをメールで送る電子納品書が増えています。即時に届き、印刷費と郵送費がかからず、電子データとして体系的に管理できます。
5. 保存と管理
納品書は取引を裏づける証憑書類として保存します。保存期間は請求書や領収書と同じ考え方です。
| 区分 | 保存期間 |
|---|---|
| 法人 | 7年間 |
| 個人事業主(白色申告) | 5年間 |
| 個人事業主(青色申告) | 7年間 |
管理の要点は、発注書・納品書・検収書・請求書を番号で相互参照できる状態にしておくことです。番号が繋がっていれば、1件の取引を後から追跡できます。
電子保存の要件(真実性・検索性・見読性)は電子帳簿保存法の解説にまとめています。納品内容が固まったら、そのまま納品書作成フォームで作成できます。
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