注文請書の書き方ガイド
収入印紙・発注書との関係・法的意味
この記事の要点
- 発注書が「申込み」、注文請書が「承諾」。これで契約の成立が書面に残る
- 請負を含む注文請書は第2号文書として課税。物品売買のみなら原則は不課税
- PDFのまま送れば印紙税は不要。印刷して交付すると課税文書になる
1. 注文請書の役割と法的意味
注文請書は、発注書に対して受注者が「その内容で承ります」と承諾したことを示す書類です。「受注確認書」「注文承諾書」と呼ばれることもあります。
民法第522条により、契約は申込みと承諾の意思が合致したときに成立します。発注書が申込み、注文請書が承諾にあたるため、この発行で契約成立が書面に残ります。
契約自体は口頭でも成立するため、注文請書が無くても契約は有効です。ただし高額な取引や長期プロジェクトでは、証拠として事実上の必須になります。
2. どこに何を書くか
法定の書式はありません。取引内容を正確に残し、後の争点を作らないことが基準です。実際の出力例で位置ごとに確認します。
- 1
書類名
「注文請書」または「受注確認書」と明記します。書類の性質が一目で伝わります。
- 2
受注日・納品予定日
受注日は承諾の日付として意味を持ちます。納期は発注書の希望納期への回答です。
- 3
注文請書番号
管理用の一意な番号。発注書番号と対応づけると照合が容易になります。
- 4
参照発注書番号
どの発注書に対する承諾かを示します。契約の対応関係を確定させる要の項目です。
- 5
発行元(受注者)と登録番号
自社の名称・住所・連絡先・担当者名を記載します。
- 6
宛先(発注者)
発注者の正式名称・担当者名。法人は「御中」、個人は「様」。
- 7
承諾条件・契約条件
瑕疵担保期間や支払条件など、承諾にあたっての前提を書きます。
- 8
注文項目と合計
品目・数量・単価・金額。発注書と一致していることが決定的に重要です。
3. 収入印紙の要否と金額
すべての注文請書に印紙が要るわけではありません。課税されるかどうかは取引の内容で決まります。
| 分類 | 該当する取引 | 課税 |
|---|---|---|
| 第2号文書(請負に関する契約書) | ソフトウェア開発、建設工事、デザイン制作など仕事の完成が目的 | 課税 |
| 第7号文書(継続的取引の基本契約) | 売買・運送・請負などを継続的に行う基本契約(契約期間3か月超) | 課税 |
| 物品売買のみの注文請書 | 物品の売買だけを内容とするもの | 原則として不課税 |
| 契約金額 | 印紙税額 |
|---|---|
| 1万円未満 | 非課税 |
| 1万円以上 100万円以下 | 200円 |
| 100万円超 200万円以下 | 400円 |
| 200万円超 300万円以下 | 1,000円 |
| 300万円超 500万円以下 | 2,000円 |
| 500万円超 1,000万円以下 | 10,000円 |
| 1,000万円超 5,000万円以下 | 20,000円 |
| 5,000万円超 1億円以下 | 60,000円 |
| 1億円超 5億円以下 | 100,000円 |
5億円超はさらに区分が続きます。該当する場合は国税庁の印紙税額一覧で確認してください。
印紙税の対象は「文書」であり、電子データは文書に当たりません。PDFをメールやクラウドで送るなら、金額にかかわらず印紙は不要です。
4. 発注書との関係
見積書
受注者が条件を提示
発注書
発注者の申込み
内容の確認
受注者が可否を判断
注文請書
受注者の承諾
契約成立
作業・納品を開始
発注書だけでは、受注者がその注文を受けるかどうかが確定していません。注文請書が返って初めて、契約が正式に成立したと言えます。
内容を変えて返す場合は、民法第528条により新たな申込みとして扱われます。次の手順で進めます。
- 発注者へ変更内容を事前に連絡し、合意を得る
- 変更後の条件を反映した注文請書を発行する
- 「発注書No.XXXの内容を一部変更して承諾」と注記を入れる
- 変更箇所が多い場合は、発注書自体の再発行を依頼する
発注書側の書き方と下請法の要件は発注書のガイドにまとめています。内容が固まったら、そのまま注文請書作成フォームで作成できます。収入印紙の要否も自動で判定します。
一次情報の出典
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